『老い衰えゆくことの発見』

 著者の天田城介先生からご恵贈いただく。
 ありがとうございます。

老い衰えゆくことの発見 (角川選書)

老い衰えゆくことの発見 (角川選書)

 

 “私が私ではなくなってゆく日々”を生きる老人。そして“老い”がもたらす圧倒的現実に翻弄される介護者。互いに相手を思いやりながら、なぜケアの場は歪み、両者の関係は抜き差しならぬものになってしまうのか。複雑な感情に彩られた高齢者ケアの〈親密な空間〉を、老い衰えゆくことに固有の社会性として発見。柔らかく老いを支える社会制度を、介護の現場から展望する。(裏表紙より)

 というもの。
 目次は以下。

序章  できたことが、できなくなる――〈どっちつかずの人たち〉の心と体
第1章 「できる私」へとらわれるということ――生き抜くがために自らを守る
第2章 できなくなっていく家族を介護すること――過去を引きずって現在を生きる
第3章 夫婦で老いるということ――他者に関係を開きつつ閉じてゆく
第4章 施設で老いるということ――耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ
第5章 この社会で老いるということ――戦後日本社会のなかの〈老い〉

 『〈老い衰えゆくこと〉の社会学』(下掲)を「一般書として改めて書き直し」(p.253)たもの。実際すごく分かりやすいが、豊富な事例が参照されている上に、それらの事例から引き出される理論的な含意も多く、深みがある本だと思う。これはうちの学生さんにも紹介しようかしら(特に専攻科の人は高齢者介護の現場で働くわけだし)。老いた人と周辺の人(介護者)との、コミュニケーションに生じる亀裂とそれを埋めていこうとする新たなコミュニケーションの様子が個人的には興味深かった。面白かった。

〈老い衰えゆくこと〉の社会学

〈老い衰えゆくこと〉の社会学