『社会的閉鎖の理論』

 ウェーバー→パーキン、コリンズと続く閉鎖理論を批判的に継承し、閉鎖理論を発展させようとする本か。

 世界像によって決定され、行為が利害のダイナミズムによって推進される際にたどる路線とは、いったい何なのだろうか(中略)。私は、それは、社会的閉鎖(social closure)のコード――すなわち、独占と排除の行為を支配する、フォーマルなもしくはインフォーマルな、公然のもしくは隠然たる規則――に他ならない、と主張したい。(p.3)

とのこと。

社会的閉鎖の理論―独占と排除の動態的構造

社会的閉鎖の理論―独占と排除の動態的構造


 本の表紙にこんな文章が。

開放と亀裂――ポスト冷戦の現代世界を読み解く鍵概念は〈社会的閉鎖〉である!世界のあらゆる社会において、いまや不平等の根源は階級や搾取以上に、特権集団による閉鎖である。人種、エスニシティジェンダー、宗教・社会的出自といったこれまでの排除に加えて、私有財産、学歴資格という新たな排除コードが浮上しているのだ。より多くの財産や高い学歴資格を持つ人々の集団が、ほかの人々の機会を閉ざし特権を独占するという権力と従属の構造が目にみえない形で進行している。ウェーバー理論、とりわけ閉鎖、権力、合理化概念の詳細な彫琢とマルクス主義や機能主義分析の比較検討により、本書は初めて閉鎖の世界システムのトータルな理論的剔出に成功した注目すべき書である。

と言うわけで。簡単に言うと、現代の社会的不平等は、(生産手段の有無で定義付けられるような)階級だとかだけではなくて、人種等々による差異化に基づく排除・独占がなされ始めている、と。で、そうした現代的不平等は、ウェーバーの閉鎖論・権力論・合理化論(とマルクスやら)を発展させることで読み解けますという感じか。
 個々の「コード」に基づく排除は、(たとえば文化資本だとブルデューやら)いろんな論者がいろんなものを取り上げて論じてるけど。トータルに論じようとするのは、確かにあまりないかもしれん。今後何か考えるときに参考にするかも。