『いまこそ『資本論』』

 紙屋研究所さん(http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/imakoso-shihonron.html)で紹介されてて、読んでみたくなり、購入。
 『資本論』全3部を200ページで解説。
 「先生」が「太郎君」と「花子さん」に『資本論』を教えていく形式。

いまこそ『資本論』 (朝日新書)

いまこそ『資本論』 (朝日新書)


 『資本論』そのものは昔読んだっきりだけど、「こんなスッキリした話だっけ」と驚くくらいシンプルで分かりやすい。これ、講義とかで、(教養的に)マルクスの話を説明するときにはとてもいいテキストかも。これだけで「『資本論』は理解した」とは言えないだろうけど。
 なお、「何で『いまこそ』?」って思えそうだけど、著者はこんなことを。

 「誰もがヒルズ族になるチャンスがある!」などの言葉に踊らされてみたものの、現実にあるのは、アルバイトや派遣の仕事ばかり――。いったい今の世の中はどうしてこうなんだ?僕たちはどうすればいいんだろう?と考えている人に、再度注目してもらいたいのが『資本論』です。
 「『資本論』は過去のもの。共産主義は失敗したではないか」と言う人もいるでしょう。でも、私は次のように思うのです。「マルクスは、がん発見の名医ではあったが、がん治療の名医には至らなかった」。確かに、資本主義が抱える問題を解決するための、具体的処方箋作りには至りませんでしたが、資本主義が抱える矛盾・問題点は、見事に抉り出したと。(p.3)

とか。つまり、「資本主義が抱える問題」があからさまに現れ出てきてる現代社会を再考するための、「いまこそ」の『資本論』である、と。この問題意識は、本書に通底してて、それもあってか「ああ、今の話に当てはまるね」と思わされる部分が多い。