『UFOとポストモダン』を読んだ

 新書。

UFOとポストモダン (平凡社新書)

UFOとポストモダン (平凡社新書)


 UFOに関する言説分析を通して、UFOのありようの変遷が時代の変化と重なっていることを明らかにする本。
 初期のUFOは、「高度に発展した科学的技術によって、生活をよりよく発展させてくれるもの」ととらえられてて、すなわち、発展を基調とした近代的社会観と重なってて(第二次大戦後〜ベトナム戦争)。
 で、後期は。「悪いことをする奴の代表」としてUFOが見られるようになり。これ、社会的に不安感が高じた時期(〜冷戦期)と対応してるみたい。さらに。じょじょにUFOは、陰謀論のように、「科学で説かれていることだけじゃなくて、世の中にはいろいろと分からんこと/隠されていることがある。で、UFOはその具体例の一つ」ととらえられるように。すなわち、大きな物語への不信と、小さな物語の点在と対応。
 その後は、UFOの変種(スカイフィッシュだとか)が登場してきて。「肉眼では見えないからよく分からんけど、身の回りにはいろいろある(と言うより既にあった)みたいである。で、よく分からんから、事態が勝手に悪化してそうで不安なの」的な。スカイフィッシュなんて、カメラを用いないと見えないようなものであるということが、示唆的。ウイルスや、「環境ホルモン」もその一例として*1挙げられてた。UFOは、見えるから不安なわけである。そこの違い。


 話が荒くてピンと来ないところもあったけど。特にUFOの変種の話のあたりが。あれ、UFOの流れにおいていいんかしら…などと。「不安感を掻き立てる」って話の流れだとか、陰謀論って括りならまだ分かるけど。とは言え、面白い本ではあった。
 参考文献として挙げられている、『人類はなぜUFOと遭遇するのか』も読んでみようかと。

*1:“非科学的”という意味ではなくて。見えないことへの不安を掻き立てるものとして。